南京大虐殺を認めない日本の一部勢力

12月13日は1937年夏に日本が日中戦争を始めて「南京陥落」させた日であり、今では南京虐殺の記念日となっている。本日付の一部新聞で現地で追悼式典が行われた様子が報じられ、「習近平国家主席は5年連続で出席を見送った」(日経)などの報道が見られた。私も数年前に12月13日の南京を取材したことがあるが、寒い、小雨の降る日だった。南京大虐殺は日中戦争における膨大な日本軍の加害行為の中の、実際はごく一部にすぎない。その一部にすぎない残虐行為がこれほどまでにシンボル的に扱われるのは、日本側の心ない人たちがその事実を認めず、見苦しい主張や姿をふりまいてきた結果だ。85年前のこの日を起点に、あるいはその少し前から、日本軍が不法に殺戮した中国人民の数が少なく見積もって数万人単位にのぼることは間違いない。これは多くの歴史学者の研究の積み重ねによるものであり、櫻井よしこあたりが、自分の感情だけで「南京事件は濡れ衣」などと言ったり活字にしたりしているのとはレベルが異なる。旧日本軍の直接従事者においてすら、検証がなされ、上記の事実は動かない。こうした国家間をまたぐ加害・被害の関係を、歴史的事実に基づいて見ようとしない不届きな者たちの態度は、両国関係の発展を阻害するだけで、価値を生まない。そういう人間に限って、中国をひとまとまりのものとして仮想敵視し、日本の軍備拡張を声高に主張してきた。危うい勢力が依然として日本社会にとぐろを巻いている。

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