民進幹事長人事で特オチした産経新聞

本日付の朝刊で、読売と朝日は民進党の新幹事長に山尾志桜里氏、代表代行に枝野氏を起用する方針を速報した。読売は「内定した」と書き、朝日は「起用する方針を固めた」としているので、読売のほうが断定的表現だ。さらに毎日も1面で山尾氏の顔写真を掲載しているが、こちらの見出しは「山尾氏検討」で、記事中も「起用する検討を始めた」との表現で、朝日よりさらに一歩腰の引けた表現になっている。これらは各社の取材力を示す結果として興味深い。

一方、同じ全国紙でありながら、この情報で特オチした社がある。産経新聞だ。2面で「民進幹事長 大島氏で調整」の見出しを立て、「前原陣営の選対本部長を務めた大島元総務副大臣を軸に進めている」と、ほぼ誤報に近い。取材不足もはなはだしいと言うべきだろう。もともと民進党を本気で取材する気はないのかもしれないが‥。

読売は4面で幹事長人事についての詳細な解説記事も掲載する丁寧さ。それによると、山尾氏は党内で前原グループに属し、実質的に選挙関係の実務を取り仕切る幹事長職にその山尾氏を起用したことは、「党務を実務的に仕切るのは前原氏というメッセージだ」と受け止めた党関係者がいることを紹介している。

要するに、選挙関係を取り仕切るのは、前原代表自身だということだろう。(朝刊はいずれも東京本社版)

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