民主主義を破壊するデマ

本日付の日経新聞に米ユーラシア・グループ社のイアン・ブレマー氏の論考が掲載されている。時折この新聞に掲載される同氏の主張を楽しみにしているが、本日付の論考で強調されるのは米国政治の民主主義がいやましてひどい状況にあるという認識だ。「同盟国ががくぜんとするほど米国の民主主義はひどい状況にある」といった主張だが、問題はトランプ氏の大統領再選がとりざたされる2年後の大統領選挙に向けられている。2024年11月にそれは行なわれるが、このとき「深刻な暴動が起きるとの懸念」を表明している。こうした米国の危うい土壌を形成したのがよく指摘される経済的格差だけでなく、私には「ウソの土壌」を広げた罪のほうが大きいと思われてならない。一方で、「不公正な政治」もそれと同様の政治手法に映る。最高権力者(首相)に近い人間であれば同意なく性行為を行うといった刑事犯罪を犯しても個別に免責され、小学校の経営や大学の経営で個別に便宜を図ってもらえるなどの「公正さを欠く政治」のことだ。これはアメリカではなく、日本で起きたことである。トランプ政治とアベ政治はその手法において似通った部分があり、その結果として社会全体が2つに「分断」され、民主主義が機能しにくくなっているのは、程度の差こそあれ似通った現象に見える。

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