20世紀から変わらない人間の中身

一度始めた戦争を終息させるのは難しい。戦争は始めるのは簡単だが終わるのが難しいと旧日本軍を題材に語っていたのは歴史家の半藤一利氏だ。戦前の日本は簡単に日中戦争を始めたが、戦略を見誤り、ずるずると戦局を長引かせて国家を疲弊させ、最後はソ連参戦の惨事を招いた。いまのロシアもその点は同様に見える。一定の戦果がないと自国民への説明がつかないし、政治指導者としてのメンツもある。だが残されるのは、廃墟となった街並みと死体の山だ。さらに建物だけでなく、残った人びとに多くの心の傷を残す。すべてにおける破壊行為であり、防衛産業が潤う以外にいいことは何もない。ロシアの大失敗を見て、中国は台湾武力侵攻が現実的に不可能になったと見る向きもある。少なくとも予定変更を余儀なくされることは明らかだろう。先制核攻撃発言を繰り返す北朝鮮のトップについて「斬首作戦が復活へ」という記事を掲載した雑誌もあった。いずれにせよ軍事に踊る者はいずれ淘汰される。人間(ホモサピエンス)はそこまで愚かな生き物ではないと信じたい。

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