70年前の2つの団体

1952(昭和27)年は今から振り返っても特殊な年だ。国家神道に頼った「昭和の戦争」で神風など一切吹かずに壊滅状態となったニッポンは、占領軍の統治下となり、みじめな時代を送った。だがこの年、日本はようやく独立を回復する。このころ、今も存在する2つの団体が対照的な活動を行っていた。一つは日本共産党だ。同党の100年の歴史における武装闘争の一時期、この年の1月には札幌で警察幹部を一人射殺し、前月には練馬で駐在警察官を撲殺した。さらに多くの火炎瓶事件を発生させた。朝日新聞はこのころの日本共産党を「テロ団体」として、連載で取り上げている。一方、創価学会はこのころ、布教活動を顕著に活発化させた。2月には若き日の池田名誉会長が事実上の指揮をとった大田区・川崎市方面の布教活動が大きな成果を生み、その流れが全国に波及していく。創価学会の「折布大行進」の始まりである。教団にとって、生命尊厳を掲げる法華経を世に広めることこそが、そのまま平和に直結するとの確信に貫かれていた。70年前、対照的な活動を行っていた2つの団体。その歴史が消えることはない。

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