世界の最大リスクは中国「ゼロ・コロナ」の失敗

米国の政治学者イアン・ブレマー氏が主宰する調査会社ユーラシア・グループが毎年冒頭に発表する「世界の10大リスク」が年頭の新聞で取り上げられていた。今年の最大リスク10の中に、中国の台湾進攻など入っていない。逆に、リスクの最初にあるのは、同じ中国でもコロナ政策の失敗による世界への悪影響だ。中国がとるゼロコロナ政策がうまくいかなくなる結果を案じた内容といえる。中国の国産コロナワクチンはさほど効果が高いといえず、さらにコロナ対策が習政権の手柄に結びつけられる政治状況にあって、失敗が許されない。そのため、ゼロコロナ政策に改善すべき点があったとしても、十分に対応できず、結果として中国国内だけでなく、世界経済に甚大な悪影響を与える。今年は先進国でコロナ終息の方向に向かうと見られる一方、中国を含む途上国はそうといえないということが「世界リスク」に挙げられている事実は踏まえておいたほうがよい。日本の「極右」勢力は台湾有事をことさらに煽り、日本の軍備拡張と中国敵視世論を拡大しようとしているようだが、実際は厳密には足元のファクトに立脚しているとは言えない事実を意味する。思えば1年前のきょう、米国国会議事堂が暴徒に占拠され、死亡者を出した事件が発生した。そのときトランプが大統領選挙で勝利したと日本でも事実に基づかずに煽っていた者たちが、今では台湾有事を煽っている事実を、押さえておくべきだろう。

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