武蔵野市議会の委員会可決について

昨日武蔵野市議会で一日がかりで審議が行われ、外国人に日本人と同じように住民投票権を認める条例案が委員会で可決された。21日に本会議で正式に採決されるらしいが、成立の見込みは立っていない。今回、公明党会派が反対に回ったからだ。理由として市長が拙速に進めたといったものがあるらしい。

もともと政党である以上、与党であれ、野党であれ、党派の論理が働くことは必然だ。同市の市長は立憲民主の菅直人氏のグループなので、国政状況からすれば、公明党の政敵に位置する。だが、物事はそのような「状況論」で判断が許される場合と、政党としての根本的な理念を問われる場合とでは、対応はおのずと異なるはずだ。この問題は小さな問題に見えるかもしれないが、一つの政党がどのような国家ビジョンあるいは将来ビジョンを描いているかという問題と密接に結びつく。この国では外国人であっても日本人と同じように税を負担をしている。外国人からはまったく税を取らないという国あれば、政治参加から彼らを「排除」するという考えも成り立つだろうが、金は出させても、口は出させないという発想のままでは、まるで戦前の日本そのものだ。まして今回は、地方選挙権ではなく、単に住民投票の権利である。武蔵野市議会で起きている状況は、今の日本社会、日本政治の状況をきれいに映し取っているように思えてならない。

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