ビジネス右翼が跋扈する時代

自民党総裁選において面白い現象が生まれている。高市早苗候補を応援する極右勢力が高市候補に入れ込むあまり、SNS上などで他の候補(特に河野太郎候補)を標的にした誹謗中傷を行い、逆に高市候補が自らの支持者をたしなめる投稿を行う事態となっていることだ。河野候補が本当の保守は寛容で中庸であるといった発言をした最近の映像を見たが、それらに対する正面からの論評と受け止めた。似たような状況は昨年11月のアメリカ大統領選挙においても展開された。トランプに入れ込むあまり、バイデン候補を中傷し、「中国の操り人形」などと発信した門田隆将こと門脇護のような典型例もあった。現在、バイデン大統領が中国の操り人形になっていると思う人はいないはずだが、自らの思想に近い特定候補を応援するあまり、ファクトとはいえない情報を拡散し、周りが見えなくなっているのは、今回の自民党総裁選における状況とよく似ている。

この種の人間たちは、究極的には自分の利益、あるいは自分の家族程度しか考えていないように私には見える。事実と関係なく騒いで自分の好む方向に誘導する。その目的は端的に商売(=金儲け)なのだ。そのため「ビジネス右翼」という言い方がされる。こうした風潮を助長したのは8年近くにおよんだ「安倍政治」だ。

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