すべては優先順位に

政治の世界では「優先順位」の失敗はそのまま死活問題に転化する。コロナ無策が要因となって政権を二度までも投げ出した安倍前政権の後を継いだ菅政権が、第1の優先課題とすべきだったものは当然ながらコロナ対策であった。この問題に万全の手当てをし、国民からの信頼を得た上で、延期された東京五輪に向かうというのが当然の筋道だった。だが菅政権はその「優先順位」を明らかに間違え、デジタル化法案など翌年以降に回しても大差なかった問題に固執し、優先(あるいは同時並行)してしまった。その結果が現在の状況を招いているとしか思えない。国民や社会から歓迎されない中で、仮に五輪を強行に開いたとしても、それはそれだけのものとしかならないのではないか。すべてにおいて「優先順位」の失敗が、現状を招いたしか言いようがない。現状では5月31日に緊急事態宣言を解除できず、6月になって五輪の開催が「やはり難しくなった」と宣言するとなれば、当然、政治の責任に直結する。ここに来て、「五輪中止」を公約に掲げた日本共産党を筆頭に、野党はここぞとばかりにこの状況を利用しようとするだろう。元自衛官トップにすら見放された首相の「判断能力」の欠如は、見るに耐えない。安倍政権の遺産をそのまま受け継いだ菅政権の現状は、そのまま安倍政権への再びの「失敗の烙印」を意味する。これまでの経緯から考えて、安倍前首相の3選など、論外だ。

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