共産党が五輪中止を訴える思惑

東京オリンピックの開催が予断を許さない状況にある。日本としてはこれまで準備を重ねてきた手前、簡単に引き下がれない事情があることも明らかだが、国内世論は圧倒的に中止・延期で固まっていると報じられている。私見だが、このオリンピックが開催されるはずの7月ころには、コロナ感染状況は劇的といったらいいすぎだろうが今とは全く変わった状況になっているはずだ。だが現状の目先を追った国民世論を背景に、自分たちの思惑とともに「五輪中止」を党首自ら声高に訴える政党がある。日本共産党である。彼らの思惑はオリンピックを中止に追い込むことで、誘致した前安倍首相や現首相らの責任問題に転化させ、次期衆院選で勝利する、あわよくば与党入りしたいというものだろう。また7月4日に行われる東京都議選挙が念頭にあることも明らかだ。だが行政サイドとしては、万年野党の党利党略に乗っていてはまともな運営などできない。来年夏ごろの状況を前提に、やるべきことを実行するしかない。現在の与党にとっての最悪のシナリオは、このまま東京オリンピックが中止に追い込まれ、総選挙もすぐには打てないまま、じりじりと支持率が落ちつづけ、追い込まれた秋の選挙において惨敗し、下野に追い込まれることだ。そのとき立憲民主党中心の政権になると思われるが、そこに日本共産党が入り込めば、日本においては将来的に国家的な危機につながる。

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