ソ連の現実を最初に告発した日本人

昨日付の東京新聞(中日新聞発行)夕刊は、ソ連スターリン時代に強制収容所送りになり、奇跡的に日本に戻った勝野金政(1901-84)について記事にしていた。勝野は「日本のソルジェニーツィン」とも呼ばれる。ロシア革命が起こったあと、日本からも社会主義の理想を信じた若者が多くロシアに渡り、活動した。だが多くは密告などで粛清(殺害)され、亡き人となった。その中で強制労働させられる地獄の体験をしながら、日本に戻ることのできた勝野は、戦前・戦後を通じて多くの著作を発表したが、ソ連の反体制作家ソルジェニーツィンほどの知名度は日本では与えられていない。まったく無名ともいえる存在だ。社会主義の美名のもとに行われたそれと正反対の現実は、当時の権力においては、隠さなければならない重大事項だった。その真実の姿はすでに多くが明らかにされているが、初期のころの日本人にこのような人物がいたことは驚きである。掘り起こされていない歴史は驚くほどたくさん残されている。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/68663

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