日本共産党と創価学会

この2つの団体は、よく比較される。あるいはずっとされてきた。世間的にはどちらも教条的なイメージで見られがちだ。よく言われることは、同じ大衆次元に根を張るため競合関係にあることも事実だが、同時に日本社会に事実上浮上した時期が重なったことも大きいと感じる。共産党は1922年に結党したことになっているが、「非合法」時代が長く、戦後しばらくまで大っぴらに活動できなかった。終戦後の一時期を除き、実質的に活動開始したのが昭和30年前後。一方の創価学会はちょうどそのころ、選挙に自らの候補者を出すまでに発展し、昭和31年の参院選で初の国政デビューを果たし、世間の注目を浴びた。必然的に、選挙の場で両者は互いを強く意識する関係となっていく。共産党の全国的な暴力活動が原因で設立された公安調査庁などからは、一時期、学会も似たような団体と勘違いされて調査対象となった時期があったようだ。だがこの2つの団体には、決定的に異なる点があった。創価学会は体制の転覆などめざしていないが、共産党はそれを目指していた(今も実態は変わらない)。その結果、公明党は与党に参画して20年を経過したが、共産党はいまも治安当局の監視対象のままだ。同党はいい加減、「共産主義」の旗を捨てないと、未来の党員は希望を持てないままだろう。

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