戦う前に「看板公約」が吹き飛んだ共産党

小池都知事が築地市場の豊洲への移転を正式表明した。日経の1面トップは「豊洲に移転 築地は再開発」の見出しだが、毎日新聞によると、「小池氏側近は『現在の築地をそのまま復活させるような「再整備」でなく、「再開発」という表現にしたのがポイントだ』と話した」という。もともと「再整備」という言葉を使ってきたのは日本共産党だが、同党の主張とは異なるものとのニュアンスを示した発言だ。その意味で本日付の読売(東京本社版)が1面トップで「豊洲移転 築地は再整備」の見出しを掲げたのは、ニュアンスとしては半ば誤報に近い。言葉の意味をよく咀嚼しないまま使っているからだ。

ともあれ、「築地市場の移転中止を掲げて戦う」(日本共産党東京都委員会・若林義春委員長)との公約を掲げてきたのは、日本共産党である。つまり、同党の看板公約は、選挙の本番に突入する以前に、木っ端みじんに吹き飛んでしまった。当初から、同党のこの公約が実現する可能性はなきに等しいと見られていたが、それでもこうした公約を掲げたのは、独自性を発揮し、少しでも集票に結び付けたいとする同党特有の論理にほかならなかったと思える。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。