国難にも共産が赤旗啓蒙に躍起となる理由  

日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」は、本日付でも党員向けに赤旗拡大を躍起になって訴えている。感染リスクのない電話での依頼を働きかけながら、「お困りのことはありませんか?と、相手の話を聞く姿勢を大事にして対話に入りましょう」など具体的なノウハウまで示す親切ぶりだ。このノウハウを語っているのは同党副委員長で党建設委員会責任者の山下芳生。なぜ共産党はこんな非常事態にもかかわらず、党員向けに機関紙拡大を強要するのか。そこには「ジリ貧」に陥った同党の現実の姿がある。日本を共産主義国家にすることを目的に結党されたこの党は、戦後の宮本体制になってからはレーニンにならってか、機関紙拡大をはなはだ重視するようになった。機関紙の部数が党勢のバロメーターになるとして、まるで新聞拡張員のように党員を使ってきたのだ。その部数は70~80年代をピークに減る一方で、いまでは日刊紙と日曜版を足しても、100万部を割る同党の最低レベルまで落ち込んでいる。このままいくと、日刊紙の発行を続けることすら困難な事態となり、党は壊滅の危機に向かうことがすでに明らかなのだ。そうした危機感からか、ことし1月の党大会を起点に、毎月の連続拡大前進を合言葉に、党員に啓蒙を義務づけているのが実情だ。その割には同党の最高幹部である志位委員長や小池書記長が部数拡大に実績を示したといった率先垂範を示す記事を目にしたことは一度もない。あくまで地方議員にやらせることで、最高幹部は命令を下すだけのようだ。それにしても、共産主義そのものが実現不可能な思想であることがすでに明らかになった世界状況の中で、そうした思想を看板に掲げる政党の機関紙が、こんご増えていくとも思えない。

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