男系天皇「断絶」の可能性

本日付産経新聞は「『女系容認』自民に波紋」の記事を掲載した。自民党の甘利税調会長や二階幹事長が女系天皇を容認する考えを示唆したことに対し、あくまで男系天皇の維持を求める党内の保守派議員からバッシングされる状況を記事にしている。男系は、天皇である父親の子どもを意味し、性別を問わない。過去には女性天皇も存在したというが、いずれもその父方は天皇であるという原則がこれまで守られてきた。一方、女系は、天皇家の血を引く女性の子どもを意味する。現在の状況にあてはめると、今上天皇の子どもは娘の愛子内親王(18)しか存在せず、愛子内親王自身は男系だが、その子は女系となるという考え方だ。その意味で男系男子にこだわる限り、継承権をもつのは弟の秋篠宮やその息子の悠仁親王(13)に限られ、将来、悠仁親王に男の子が生まれない限り、現方式で天皇を存続させることは不可能な状況にある。甘利税調会長の「最終的には女系も容認すべきだ」や二階幹事長の「男女平等を念頭に考えていけば、おのずから結論は出るだろう」といった発言は、それらの状況を踏まえたものと思われる。天皇家の男系・女系論争は、要するにこれまで男系のほうが素晴らしいとするかのような科学的根拠を伴わない「伝統」に固執し続けるのか(=天皇家断絶の可能性あり)、あるいはそうではない男女平等の人間本位に即した考え方に立つかの違いともいえよう。

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