ブレ続けて97年

 いつも2日早く届く「しんぶん赤旗」(日曜版)にまたぞろ二見伸明が元公明党副委員長の肩書きで登場し、共産党を持ち上げている。いわく、「日本共産党ほど憲法を大事にしている政党はありません」。歴史を弁えていない人間の言葉そのものだ。この号で目についたのは、「国民が主人公 ブレずに97年」という同党の宣伝文句だ。日本共産党の最大の虚偽宣伝の一つがこの「ブレない」というフレーズだが、実際はこれほど「ブレた政党」も珍しい。

わかりやすく宗教団体になぞらえて説明すると、1922年に創設されて数十年の年月、この政党の本尊は「ソ連」だった。特に戦後の早い時期は、この本尊は完全無欠で、理想の国家をつくります、バラ色です、楽園ですと宣伝しまくっていた。いまは何と言っているか。「ソ連の横暴と対決してきた唯一の政党」である。要するに、ソ連について、過去には「絶対の本尊」と有権者に対して主張していた同一の政党が、今ではソ連は「最低の本尊」と言っている構図に等しい。仮にこのような宗教がこの世に存在するなら、信用できるだろうか。日本共産党は同じことを政党としてやっているにすぎない。日本共産党のソ連信仰の弊害は、日本の平和運動の分野に亀裂を入れる結果ともなった。アメリカの核実験はけしからんが、ソ連の核実験は認めるとやったからだ。その時点で、ソ連は科学的社会主義を先導する素晴らしい国家であり、世界の歴史は彼らの信じる科学的法則に従って、間違いなく資本主義⇒社会主義へと塗り替えられていくと信仰していたからだ。それらの「夢想」は、すでに明確に崩れ去っている。要するに環境の変化に合わせ、カメレオンのように自らの姿も変えた姿だ。それでいて「ブレずに97年」――。この政党がいかに恥知らずの政党であるか、わかるだろう。

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