お粗末なアジア政策

カンボジアで7月29日に総選挙が行われる。25年前の国連管理の総選挙の際、私も命を張って選挙監視団の一員として仕事をした経験があるだけに、気になる。当時は民主的な選挙を行ったはずが、その後はフン・セン首相の独裁色が強まり、自分の立場を脅かしかねない野党を解散させたり、野党党首を逮捕しようとしたりと、やりたい放題だ。だが日本政府はこうした滅茶苦茶なやり方をする現政権に注意や打撃を与えず、資金援助をするなどして、民主主義の破壊に手を貸している状態であるとして、東京・銀座で先週、在日カンボジア人約1000人が集まり、日本政府の支援の中止を求めるデモを実施したことが報じられていた。結局のところ、カンボジアで民主主義は定着せず、逆に民主主義を守らないことを助長している日本政府の行動は、25年前の外交的努力を自ら無にしている行為に映る。

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