「人道的競争の時代」はいずこに

創価学会の初代会長である牧口常三郎は時代様相の変化について、軍事的競争から経済的競争、最終的には人道的競争の時代に向かうと主張した。これは人間の善性に依拠した主張だったと思えるが、21世紀のここに来て、時代は逆戻りしつつあるように見える。安倍元首相が手掛けた日本の軍事化路線は、沖縄各地を要塞化しただけでなく、戦後禁じられてきた敵基地への先制攻撃や核兵器をシェアする議論にまで進み、防衛費を倍増させる主張を平然と行っている。まさに「軍事的競争」の20世紀に“逆戻り”の様相である。いま平和勢力がなすべきことは、この流れを「反転」させることに尽きる。この種の社会運動は常に「挑戦」があり、それに「応戦」する行動がなければ、時代は悪に引きずられるだけだ。平和の理念である旗幟を鮮明にし、今こそ時代を動かすべきではないのか。初代会長の主張を虚妄にするのも、現実にするのも、生きている現在世代自身である。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。