「魂の独立」から30年

創価学会が日蓮正宗宗門から自立して30年の佳節を迎えた。もともと古い宗教的な権威意識の強かった日蓮正宗が、世界に広がる人間宗教の現実についていけず、嫉妬し、詐欺師同然の人間にたぶらかされて行った「世紀の愚行」というのが事の本質である。もともと日蓮仏法の教義に背き、軍部勢力の圧力にひれ伏して神札信仰を受け入れた戦時下の宗門と、それに反対して獄死した創価学会の初代会長とはその行動の差は歴然としていた。戦後、創価学会の人為的援助と金銭的援助によって宗門は復興を果たし、全国さらに世界に末寺をもつに至った。創価学会員の増加とともに、宗門の生活は安定し、半面、腐敗していった。そこにきて山崎正友らのペテン師グループの口車に乗せられ、信徒が20万人残ればやっていけるとばかりに「愚行」に走ったのが阿部日顕という名の希代のハレンチ法主だった。もともと日蓮正宗内でも妻帯しない風習があったものの、明治期になってその風習は壊れ、さらに芸者遊びや買春の常態化が問題となっていた。阿部は初めての海外出張御受戒でアメリカ・シアトルで夜中に一人でホテルを抜け出し、売春婦との支払トラブルで現地警察のやっかいになった逸話をもつ有名な坊主だ。そんな坊主が宗門のトップに君臨し、行った30年前の愚行。すでにだれが考えても明らかな結末となった。宗門は「泡沫教団」となって、ジリ貧状態に。一方の創価学会は宗教的権威の呪縛から解き放たれ、「世界宗教」としての歩みを悠々と進めることができた。それから30年。

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