日本共産党は中国の兄か弟か

中国共産党の創建100周年の佳節を目前に控え、その種の報道がめっきり増えた。2021年7月が中国共産党の立党月とされている。一方でコミンテルンという同じ「母親」から産み落とされた日本共産党は、1922年7月を立党の月としている。だが学説的には1921年4月という説も有力だ。非合法政党として隠れて行動していたので、厳密な意味でのスタート地点がはっきりしないことが原因だ。だがこの問題は、単に1年早いかどうかだけでなく、中国共産党より年上か、年下かという問題をはらむ。人間に例えれば、中国の兄なのか、弟なのかという問題であり、家族関係の重要な問題となる。

中国共産党は現実に政権を奪取し、これまで広大な同国を70年以上統治してきた。一方で、日本共産党は日本の地方行政に与党として関与したことはあるが、国政において権力を奪取したことはない。現在の京都市政をはじめ、日本共産党が過去に権力掌握した自治体は、ほとんどがボロボロだ。財政が破たんするのは共通する傾向である。なぜなら人員削減ができず、人件費が肥大化することを避けられないからだ。

ともあれ、日本共産党は今回の東京都議会選挙を足掛かりに、この秋の総選挙で立憲民主を「表」にして、自分たちも権力中枢の中に入り、将来的な共産主義革命をめざしている。いま日本の左翼で、日本共産党とどう向き合うかは、歴史をどう見ているかという問題と同義だ。歴史を踏まえない者だけが、同党になびく。

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