規範が壊れるということ

日本の財政が危機にさらされているのは、過去の自民党政権が赤字国債に頼るようになったその「地点」にあった。我慢して無借金運営を続けるという道もあったはずだ。このくらいならいいだろう、ちょっとくらいいいだろうという安易な行動の延長が、現在の日本の財政赤字の現状をつくっている。このように「規範」を壊すということは、最初は小さなものであったとしても、その後に生きる人びとに甚大な影響をもたらす。

安倍政権は多くの規範を壊した政権として日本政治史に位置づけられるだろう。一つは政治に「虚偽」を大きく持ち込んだことだ。何をやっても許されるという風潮をつくった罪は、有形無形に今後の日本社会を苦しめる要因となる。その罪ははかりしれない。まっとうな歴史観という規範も、大きく壊されてしまった。その社会の構成員が理知的な歴史教育を受けず、ばらばらに育ったのでは社会は維持しにくい。歴史教育の要は、過去の歴史を真摯に振り返り、教訓とすべきことを次世代にきちんと伝えることだ。もっといえば、国が誤った過去の歴史を総括し、その教訓を継承することに尽きる。現在の右派勢力のようにメンツのみにとらわれ、事実を歪めて主張する風潮は、実は「国賊」の行為そのものともいえる。次世代の生きるための知恵を自らのメンツで失わせているに等しいからだ。この国の歴史教育をどうするか、公明党は今後、そのことに本気で取り組んでほしい。

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