記者はどう老いるべきか

本日付東京新聞にルポライターの鎌田慧さんのコラムが載っている。私は20代のころ2度氏にお会いしているが、言論界を見渡しても、フリーの記者で信念を何ら変えることなく老いてなお冴えている筆頭格と常に感じている。同氏の仕事ぶりは権力監視、権力批判に確たる基盤があり、そうした役割を自ら捨て去って権力に群がっている同業者連中と比較しても、屹立した記者という感じが顕著だ。1938年生まれの鎌田氏は現在82歳。コラムを読んでいても、老いといったものを何ら感じることがない。一方で同じ東北出身でも佐高信という書き手はどうか。鎌田氏より年下の75歳ながら、何がファクトで何が虚偽かを識別する能力が相当に「劣化」しているように感じられる。老いたら職業人としてはこうはなりたくないという仕事ぶりと思えてならない。

ふたりは同じ左派系の論客として知られるが、仕事の正確さという意味ではかなり対照的に見える。

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