“神風”はなかったという文永の役

わが国の教育では鎌倉時代の文永の役・弘安の役(いわゆる元寇)についていずれも台風・暴風雨で中国軍を撃退したとして、日本が「神国」であることの裏づけとして利用されてきた歴史がある。戦中は「神風特攻隊」などの名称も生まれた。だがこのうち少なくとも最初の文永の役については、このような異常気象はなかったという説が芽生えているそうだ。昨日付の読売新聞(夕刊)はその史実を伝えている。それによると信頼できる史料では、日本・元側とも暴風雨に言及した史料は見当たらないという。一方、弘安の役については暴風雨を示す史料は多く残っているものの、撃退した理由は単一のそれではなく、複合的な要因だったとする。要するに、後世の為政者・政権によって都合のいい史実に書き換えられた可能性が大と指摘する記事だ。読売新聞は産経新聞などと同じ保守系の新聞として知られるが、産経のように事実を曲げて、南京虐殺はなかったなどとはけっして言わない。ファクトとしては読売のほうがずっと信頼できる。

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