安倍首相の桜を見る会の国会答弁が事実ではなかったことがホテル側の証言で明らかになった。ウソとゴマカシは日本共産党の長年にわたるお家芸のようなものだが、与党のトップがその真似をする必要はさらさらない。だがそのような手法をとらないと、もはやこの政権を維持することもできないということだろう。本来の伝統的な政権運営の手法にのっとれば、安倍政権はすでに森友問題で崩壊していておかしくなかった。だが人事をエサに官僚を従わせ、文書の改ざん、虚偽答弁、なんでもやらせてなんとか政権を維持した末に「現在」がある。森友・加計学園問題では大方の有権者をうまく丸め込むことに成功したが、桜を見る会の場合は、関係者が多すぎて、こちらで口裏合わせをしても、あちらが立たないといった感じで、それらの齟齬が今になって一気に噴き出してきた形だ。そもそも現在の安倍政権が発する教育効果は、子供たちにウソをつくことを奨励する教育効果でしかない。人間はウソをついてはいけないという最低限のモラルを、政権のトップが自ら破壊しているに等しく、目に見えないこの種の損失は、実は膨大な規模で、日本の国益を大きく損ねているのが現実だ。結論するに、ウソとゴマカシにまみれた政治が、後世において評価されることなどありえない。今さえよければよいとするかのような政治姿勢は、政治の究極的な堕落であり、国民への背信行為だ。