過去の功績に溺れ、怨念の道たどった波田地

元聖教新聞社職員でその後教団を除名処分となった波田地克利(59)が東京地裁の法廷で証言を行ったのが2016年4月のことだから、それから丸2年となる。私が創価学会内で禁止されている「分派活動」を行って除名された者たちの言動に関心を持ち取材を始めたのはその少し前からだ。この訴訟で波田地は会員としての地位確認を求め、完全敗訴する。

同人は過去、第2次宗門問題で創価学会の側で活躍した。ただし日蓮正宗の活動家グループである妙観講対策において自身の方針が採用されず、教団幹部に怨念の情を抱くようになった。そうした経緯がこの裁判でも同人の主張としてなされている。波田地をよく知る人物の証言によれば、同人はもともと「まじめに勤行も行わないような信仰姿勢」だったとされる。

私は以前に教団の法律部門の責任者をつとめた元弁護士・山崎正友の言動を取材したときも、似通った証言を耳にした。要するに、信仰人としての地道な修行を嫌い、信仰レベルにおける「隙」があるからこそ、「転落」の軌跡をたどったとも受け取れる。

過去の功績におぼれ、謙虚さを失うとき、ひとは間違った道をたどる。これは何も教団内だけでなく、世間においても一般的に通用する方程式であろう。

 

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