本日付日経の長文コラムで秋田浩之コメンテーターが米政権の内情について詳しく分析していた。それによると政権上層部には現在4つの勢力が生まれており、そのいずれもが「トランプ氏に強く影響を及ぼせるような派閥は存在しない」状態で、宇宙に例えると、トランプという「太陽」の周りを、星雲状態の「惑星」が回っているようなものと表現している。このコラムで目を引いたのはトランプ外交を「捕食外交」と表現している点だ。「捕食」という言葉は、良心の呵責をもたない異常人格者(サイコパス)を語る際の一体不可分の関係にあるワードとして注目される。同コメンテーターにその意図があるかどうかは知らないが、このコラムで何度か指摘してきたように、トランプ大統領ほどサイコパス類型に100%当てはまる特異人格は珍しい。良心の呵責なく、好き勝手に振る舞い、周辺の人間や関わる人々のすべてを操作する。その結果、必然的に「捕食」する行動を繰り返す。サイコパスには犯罪者となって塀の中に落ちる者も数多いが、狡賢いサイコパス(ホワイトカラー・サイコパスともいわれる)は法律の目を自在にかいくぐり、生涯塀の中に落ちることなく、逆に社会的に成功しているケースもまま見られる。いずれにせよ、その本質的特徴は「良心の呵責をもたない人格」にあり、周辺の多くの人間がそれらの行動に巻き込まれ、有形無形の大損害を被る。その結果、サイコパスは「捕食者」の異名を持つ。いま現状の世界は、民主主義が捕食者によって乗っ取られた状態と捉えるのが、心ある犯罪心理学専門家の見方であろうと感じてやまない。