自民党総裁選の重要な「裏テーマ」の一つは、安倍政治を引きづるのか、断ち切るかの2択だろう。その結果は明日はっきりするが、引きづるどころか継承するような人物が総裁に就任する場合を仮定する。第2次安倍政権は7年8カ月あったが、憲法改正に着手することはできなかった。さらに靖國参拝は1度しかできなかった。首相にある者の影響力がそれをなしえなかったからだ。だがこの継承者は首相になっての靖國参拝を公言してやまない。リアル政治の厳しさを弁えていない証左であろうが、首相に就任すると、実際はそんな行動はとれない。まして国会議員の3分の2を改憲派でかためないと実行不可能な憲法改正は、思想的に偏った人物にはとうてい着手できない。結局、何もできないまま「失われた20年」をさらに〝延長〟するだけとなる。つまり日本の未来を失ってしまうという話だ。そのときは公明党の対応が多くの影響を占める。すなわち迎合するのか、離脱覚悟で明確な是々非々で取り組むのか。いずれにせよ「公正」さからもっともかけ離れた内閣となる。1陣営だけ30万人もの党員に〝抜け駆け〟のリーフレット配布という「不正選挙」でつかみ取る結果にほかならないからだ。