憎悪と危機を煽るだけの産経新聞

産経新聞が10月29・30日付1面で「異聞 防人の島・対馬」という記事を掲載した。内容は韓国人が対馬の土地を買い占めており、「対馬の土地が全部、韓国資本に買われてしまうのは時間の問題」などと、いつものごとく、危機を煽るだけのものだ。また記事の前提として、韓国人は敵性国民であり、日本人のプラスにならないとの根深い偏見がある。一方で、韓国人だけでなく、中国人も対馬の土地の買い占めに走りそうだとの観測もまじえており、韓国と中国を敵視する心情を前提に、読者の危機感を煽るスタイルをとっている。こうした記事内容はなにも最近突然、産経紙上に出てきた傾向ではなく、もうすでに数年以上も前から、同じような記事を垂れ流してきたことの延長にすぎない。

外国人が増えて困るというのであれば、新宿区・大久保などは外国人だらけだ。また群馬県・大泉町なども同様だ。そうしたことは世界的には必然的に発生していることであり、ことさらそれを強調し危機を煽るのは、精神貧困者特有の「島国根性」の現われといえよう。

多様性を認め、共生の方向で記事啓発するのならまだしも、その「反対」の方向で世論誘導を図る産経新聞は、悪書が世の中を破壊する伝でいえば、悪い新聞が日本国を滅亡に導く典型と言えるだろう。人間の「憎悪」をメシの種にしてしか生きることのできない、卑しき路線である。

 

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