ハウスキーパー記述に激怒した志位和夫

本日付しんぶん赤旗には志位議長が山梨で講演し、戦前の日本共産党員の女性・田中サガヨについて語ったことが大きく報じられている。日本共産党では2020年ごろから「ジェンダー平等」路線を強めており、1月の女性党首誕生もその延長線上にある。同党では戦前24歳で亡くなった女性活動家4人の活動を“美化”する姿勢を強めているが、今回もその一環というわけだ。知られるとおり、戦前の日本共産党は合法政党ではなかったため、その活動はある意味、危険と表裏一体の活動だった。まだ「社会主義の実験」の結果がはっきりしなかった時期であり、そのため、社会主義の理想は気高く感じられ、多くの善意の人びとがこうした風潮に吸収された時代である。その当時、女性に選挙権もなかった時代に、理想社会の実現を信じる女性たちがいたことも事実だろう。また同党内でけっして幸福とはいえない生涯を送った女性が多くいたことも推測できる。現在の日本共産党はそうした歴史の真相や実態を隠す形で、特定の一部の人たちを取り出し、美化し、それがまるで戦前の女性党員の全体の姿であったかのような「幻想」をふりまいている。その証拠に、同党のハウスキーパー問題(戦前、偽装工作のために男性幹部と結婚・同居することを強いられた女性党員)を『日本共産党の100年』(中公新書)に記述された恨みが、著者の中北教授に向けられているように思えてならない。自分の意に沿わないと弾圧する方向に走るのは、共産主義政党のこれまでの多くの独裁者(スターリンや毛沢東、現在ではロシア・中国も同様)と共通する。これまで世界で多くの社会主義の実験がなされてきたが、この政治形態はトップの資質によって大きく左右される。スターリン時代のソ連とゴルバチョフ時代のソ連、毛沢東時代の中国と鄧小平時代の中国を比較してみればわかりやすい。現在の志位指導部は抗う者は排除する傾向が強く、それぞれの前者であるスターリン時代、毛沢東時代の統治形態を志向・模倣しているように見える。

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