公明党の引っ張り合い

公明党は1999年10月から3年間の民主党政権を除いて22年近く国政の与党内にいる。そのため同党の国会議員には「与党」時代しか経験していない新しい議員もまじる。Xのポストを見ていて野党系学者らの公明党をめぐる論争のようなものをたまたま目にする機会があった。ある学者は、同党は結局自民党に反対するふりをするだけで最後は折れてしまうとよくある意見から期待するのは難しいと述べると、別の学者は公明党を野党側に巻き込まないと戦略的な戦いはできないとの趣旨を述べる。公明党は与党、野党のどちらからも頼みにされる立ち位置にあることは本当だと思う。私が野党の立場なら間違いなく、公明党を自分たちの仲間に引き入れることに全力を使う。間違っても共産党に頼むという発想は生まれない。なぜなら共産党は「普通の政党」ではないからだ。結局、キャスティングボートを握るのは公明党ということになる。現状で政権交代が起きないのは、いざとなれば公明党を野党に取り入れる大胆な芸当のできる力ある政治家が、立憲はじめ野党側に存在しないからだ。私が見る限り、公明党は自民党との連立に頑なに固執しているわけではない。現に選択的夫婦別姓をはじめ、自民党と一緒にやっている限り解決しない政策課題は無数に挙げられる。けっきょくは公明党という「カード」を握っている側が政権を運営する。昨今の政治資金をめぐる自民党のゴタゴタ感はどうしようもないものに映るが、上記の構図は今後しばらくは変わりそうにない。

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