九州女性の特質

この世でもっともお世話になった女性を2人だけ挙げよと問われれば、私は母親と妻を挙げる。人によっては母親なしに育った人もいれば、結婚していない人もいるから、人によってその答えは変わるだろう。私の場合は、その意味では平凡な回答なのかもしれない。2人とも九州の女性であるが、農家育ちの母親は「女に学問は要らない」の時代環境に育ったため、勉強はできたのに大学には進めず、教員になるという夢は断たれた。後年、私が教員の女性を初めて家に連れて行き、母親に会わせる行動をとったのはそうした背景もあったかもしれない。世代は異なるが、2人とも男尊女卑体質を指摘される九州で生まれ育ったため、九州の男に対する扱いは手慣れている。その点、私の場合、もしも九州以外の女性と一緒になっていれば、破綻した可能性が極めて高かったとは自覚する。一般に、九州の女性は献身的に「尽くす」と見られているようだが、その意見に賛同する。そういった意味で、地域の特性が生き方に与える影響は間違いなくあるものと感じる。話を戻すと、母親はそのような思いをもって生きてきたので、長男である私には男の子どもとしての期待をもって接した。要するにいい大学に入れ、いい会社に就職させ、安定した生き方をさせたいという中流階級の典型であった。結果的に、親が望む安定的な生き方を私は選択しなかったが、それはやはり本人が選んだ生き方としかいいようがない。後悔の念はなく、むしろ東京に出してもらったことに感謝している。

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