ひとに優しくない政治

30年前の6月、首相に就任した村山富市は「ひとに優しい政治」を打ち出した。政治の根幹ともいえるこの言葉は、当時はかなり抽象的なものとして受け取られた記憶がある。政治が国民や市民(外国籍住民を含む)の利益を第1にすることはいうまでもなく、政治の当然の原則を示したにすぎなかったが、昨今の党内事情を観察していて、村山の言葉からもっとも遠い現象をしばしば露呈しているのが日本共産党だ。党首公選制を唱えた2人の党員が同時期に本を出版した(つまり共謀した)などの理由から除名になる。その早急な措置に異論を唱えた党員が次々と処分を受ける。さらに「公開パワハラ」の被害に遭う。組織を守るためには人権をないがしろにする。そうした姿を顕著に示しているのが昨今の日本共産党だ。そこから見えるのは、この政党が権力を握ったら、同じことが国民・市民に対して行われるという間違いのない事実である。やはり共産主義政党はどこも変わらない。日本共産党も「例外ではなかった」事実を示した点で、同党の現状には大きな意味がある。

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