東村山の構図2 矢野穂積の人格特性

東村山デマ事件を成り立たせた最大要因は何かといえば、私なりの結論でいえば、一人の人物の特殊能力による。具体的には平気でウソをつくことができ(それも通常の人間ならためらうようなウソだ)、人の弱みを握るなどして自分に都合のいいように他人を「操作」する能力のことである。一般にそれらは詐欺師やペテン師に必要とされる能力であり、その手腕が彼の場合は度を超していたと認定できる。
その端的な証拠となるものが、矢野穂積らが関与して起こした優に100件を超す訴訟の山だ。正確に全体を把握した数字を私は知らないが、ジャーナリストの宇留嶋瑞郎著『民主主義汚染』(98年)によると、「97年までの22年間で、行政や一般市民に対し、60件を超える訴訟」を起こしているほか、2008年に地元のローカル新聞が特集したところでは、「草の根」会派としての行政訴訟だけで70件にのぼっている。
東村山市は議会内で解決すべき問題を「訴訟」という手段ですべて解決しようとする異常な行動のために日本で初めてとされる裁判用の専用対策課でこれらに対処してきた。裁判を起こされれば行政側も弁護士を雇う必要が生じる。応訴費用だけで総額で億単位にのぼり、すべて矢野の人格特性がなした市側の損害といえる。被害者は行政にとどまらない。
訴訟対象は一般市民にも向けられてきた。朝木明代が万引きをした洋品店主もその対象となり、私が取材した範囲では数百万の弁護費用の負担を余儀なくされている。店の品物を盗まれたうえ、言いがかりをつけられ、さらに嫌がらせともいえる訴訟のために膨大な時間と労力、さらに金銭さえ奪われた。「災難」というしかない。

ほかにも矢野らはビルから転落した朝木明代を救助しようとした救急隊すら訴える行動に出ている。また議会で顔を合わす他党の同僚市議に訴訟をかけることも平気だった。矢野らのこのような行動は心ある市民たちを威嚇する効果をもつことになった。 矢野の大きな特徴がこの獰猛ともいえる攻撃性であり、それは事実に基づくかどうかなど全く関係ない。「訴訟マニア」といえばさほど悪いものに聞こえないかもしれないが、実際は訴訟を振りかざすことで相手を黙らせる強権的手法が際立っていた。それでいて自らを「市民派議員」と名乗っていた。
東村山デマ事件の本質は、この「異常人格」ともいえる特性に立ち入らない限り、真相は何も見えてこない。

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