自民党と公明党の感覚の違い

ことし7月に行われる参院選挙をめぐり、自民党と公明党のすれ違いが最近各紙で記事になった。問題となっているのは兵庫選挙区をめぐる推薦の問題で、公明党が候補者を立てる選挙区には自民党から推薦をもらい、公明党が出ていない選挙区で自民党に対し公明党が推薦するというバーター関係のことだが、自民党が兵庫で推薦を出さないことに、公明党側はしびれを切らして独自路線に走りそうだといった報道内容である。自民党にとって兵庫選挙区は多くの候補者を擁立する中の一つの選挙区だろうが、公明党にとってはその切実度が違う。公明党は当選可能性のある選挙区にしか候補者を擁立しないので「完勝」が前提となる。そのため、一議席でも落とすことになれば、その前提が崩れるのだ。自民党のように強い選挙区は勝つが、弱いところは負けるといった中立的な立ち位置で行うわけではない。この問題、長引けば、当然、自民党にとっても不利に働く。1人区で自民党候補が公明党の支援がないとなれば、野党連合にひっくり返される選挙区が出てくることも想定されるからだ。かといって、ゴリ押しの憲法改正を進めようとする現自民党からすれば、多少、議席を減らすこともいい薬になるだろう。減らしすぎれば現自民党幹事長らの責任問題に発展し、岸田政権は短命に終わりかねない。

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