沖縄社民党のゆくえ

社民党が党大会で立憲民主への合流と社民党への残留の決断を現場に委ねたことで、同党の最大の基盤ともいえる沖縄の組織で混乱が起きている。沖縄県連の組織11支部のうち、すでに残留意見が強い西原、宜野湾、那覇北支部が報じられる一方、所属議員16人(県議4人、市町議会議員12人)のうち、合流派と存続派で真っ二つに分かれているためだ。

沖縄県の社民党といえば、昨年7月の参院選の比例票でも10万票を獲得し、社民党が政党要件を維持できた原動力とされている。一方、沖縄における立憲民主党の組織基盤は実質的には無きに等しく、合流するにしても、どちらが主導権を握るかという暗黙の綱引きが生じることは容易に想像がつく。ただし、社民党が今後、政党要件を失い、消滅に向かうことも明らかで、将来を見通した選択は、合流しか残っていないのも現実の姿だ。

沖縄の社民党の存在は、京都における日本共産党の存在のような重さがある。米軍基地の歴史的経緯から革新勢力が強い土地柄に、それでも共産党に入れたくない人たちが社民党に投票する。今回の社民党の分裂はそうした従来基盤が崩れる事態であり、沖縄の革新勢力にとっても重要な問題に見える。

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