思考停止をもたらすインターネット

インターネットの時代となり、玉石混交の情報が飛び交うようになった。既成のマスコミ情報とは別の位相の情報が流れるようになり、その中には「真実の情報」が含まれることもある。しかし多くはマユツバ情報ということもしばしばある。メディア関係者には、「ネットにこそ真実の情報がある。もはや既存の新聞・テレビにしか接しない者は情弱(情報弱者)」などと声高に主張する者もいるが、実際はそんな単純なものではない。インターネットは強調された情報も多く、それが真実であるかどうかを見抜くには、相当なリテラシーが必要になるからだ。すでにアメリカ大統領選挙をめぐるトランプ陣営発の多くのデマを、日本でそのまま鵜呑みにして拡散している勢力(主に右派文化人)など、ネットにある多くの情報のうち、「自分の信じたい情報」のみを掬い取って真実と信じてか流している典型的な状況にある。いわゆる「反知性主義」の典型だ。そんな状態に陥っている人間が、情報を扱うプロにも多くいることが問題だ。元大手通信社ワシントン特派員や名前を知られるノンフィクション作家などもゴロゴロ。その意味で、インターネットはプロにとっても危険なメディアであるという事実が明らかになった。彼らはまるで「カルト宗教」を信じるように信じ込んでいる状態なので、周りが「そうじゃないよ」といくら注意しても聞く耳をもたない。付ける薬がないというやつである。

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