地球的共通課題の解決のために協力を呼びかけた憲章

創価学会が「社会憲章」なる文書を策定し、昨日熟読する機会があった。世界的宗教団体として、社会的位置づけや理念をより明確化したものと思われ、一読してどこにも違和感を覚える部分はなかった。「世界市民の理念」「積極的寛容の精神」「人間の尊厳の尊重」など仏教思想、なかんづく法華経の精神に由来するものと思える。現在の日本がそれらとは逆の方向のベクトルが働いていることも個人的に承知している。ただし世界の中の教団の役割を考えた場合、より明確な理念の位置づけが必要だったと理解する。この「社会憲章」は、「前文」とそれに続く10項目の「目的及び行動規範」という文章で成り立つ。10項目の4つ目に以下の文章がある。

「創価学会は、仏法の寛容の精神に基づき、他の宗教的伝統や哲学を尊重して、人類が直面する根本的課題の解決について対話し、協力していく」

すでに世界的にはキリスト教をはじめ、多くの他宗教と宗教間対話を積極的に行い、地球の存続のために必要な協力を行っていることは広くは知られていないことかもしれない。それに続く「他の~哲学」の文言には、字義的に解釈すれば、当然ながら共産主義も含まれるのだろう。あらゆる思想や哲学との違いに必要以上にこだわらず、地球の共通的課題の解決のために「協力」していくことの必要性を謳っていると解釈できる。一国の利害にとらわれず、より世界的視野をもった行動がいやまして求められている時代ともいえる。当然ながら、政治家にも同様の見識が求められる。必然的に、「日本は素晴らしい」などと狂信的に吹聴する復古的な閉鎖主義風潮とは、この憲章の内容は相容れない。日本の独善主義は、この国が乗り越えなければならないカベである。

https://www.sokanet.jp/info/syakaikenshou.html

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