科学的根拠もなく「アビガン」をゴリ押しした言論人の責任

3日前の東京新聞だが、コロナ治療薬の「アビガン」を投与された軽症患者の致死率が異常に高い数値になっていることが明らかにされていた。それでいて日本政府はアビガンに関していまだに多額の補助金を交付しているという内容だ。このアビガン、当初から熱烈に承認を要求していた言論人がいることをご存じだろうか。それらの声に押される形で日本政府は前向きに政策を進めてきたが、肝心の実証実験の結果は、逆に出た。そのため、厚生省としても承認に踏み切れないというのが実情だったようだ。それに対し、その人物は「なぜアビガンが承認されないのかとの質問に私は『厚労省が力を誇示する為ですよ』と答える」などと、厚生省叩きの道具として使ってきた。私が数えた限り、この人物がツイッターでアビガンにふれたのは昨年4月6日から今年8月18日に至るまで40回に及ぶ。単純計算して、のべ1000万人に影響を与えた計算になる。それだけの人間が事実的裏付けを伴わない情報をシャワーのように浴び続け、日本政府の予算の使い道にも影響を与えてきた。

だがこの人物は過去にも多くのデマや捏造記事で問題視されてきたものの、一度も責任をとったことがない行動で知られている。「恥」を知らない人間は強い。何度同じことを繰り返しても、平気でいられるからだ。

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