「白鳥隠し」と「綱領隠し」の政党

日本共産党の小池書記局長が最新号の「週刊金曜日」(10月8日号)でまたぞろ「同党は暴力革命を党の正式な方針としたことは一度もない」などという超弩級のウソを垂れ流している。同党中央委員会が発行した『日本共産党綱領集』を開けば、「真実」は1分程度で明らかになる。考えてみればよい。日本共産党の大先輩であるソ連共産党、兄弟党である中国共産党も、暴力を伴う行動で革命を成就した。共産主義政党にとっての革命とは、暴力革命が「前提」となっていた。同党が暴力革命を明文化した綱領としては「51年綱領」があまりに有名だが、実はそれ以前の綱領文書にも、暴力を意味する言葉が多く含まれる。「武装」「内乱」「内戦」――。彼らが当初想定した革命は、日本の戦争を「内乱」に転化させ、そのすきを狙って漁夫の利的に革命を成就するという戦略だった。戦後も、その路線は変わらず、ソ連や中国にせっつかれて上記の「51年綱領」を採択し、実際に暴力革命(ごっこ)に着手した。それが1951年末から52年半ばにかけて行われた同党による多くのテロ暴力行為である。札幌市の白鳥警部殺害事件も、その過程で実行されたものだ。

私はこの事件を断続的に取材して3年ほどが過ぎるが、私の取材した範囲では、日本共産党がこの事件に関して社会に対してお詫びの言葉を発表したり、遺族である白鳥家に謝罪した事実はただの一度もない。要するに日本共産党は同じ日本人を殺しても、謝りもしない政党である。

逆に都合の悪いことは隠してしまえとばかりに、同党は都合の悪い「51年綱領」を過去の同党綱領の中から削除し、白鳥事件についても口をつぐんだままだ。こんな政党が、今回の総選挙で政権与党に入りたいと意気盛んである。日本の有権者は、こんな詐欺的行為を駆使する政党に、騙されることはないと信じたい。

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