琉球と日本

年末のこの時期になると、2年前の今ごろを思い出す。沖縄にいて、空手家の取材を本格的に始めたのがこの時期だったからだ。以来、那覇空港に降り立った回数は正確には数えきれない。通算すると3カ月以上は滞在した計算になるはずだ。若いころ、竹中労というルポライターが琉球の島唄を通じて沖縄にはまった体験を語るのを聞いたことがあるが、自身が、分野は異なるにせよ、同じような文化ジャンルを通じて沖縄に通うことになるとは夢にも思わなかった。通常は1週間くらいの滞在を繰り返す形だが、取材を通じて知れば知るほど、沖縄が日本(大和)と中国大陸に挟まれた場所で、双方の文化を色濃く受け継いできたことがよくわかる。ただし日中でいえば、文化受容の比重は根底的には日本側が重かったことは明らかだ。そうでなければ戦後の米軍統治下にあった沖縄にとって、日本復帰を求める動きにならなかったはずだ。日本を通じて琉球に仏教伝来したのは13世紀中ごろ。そのころから両国文化には色濃い交流の歴史がある。

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