「元祖・捏造記者」門田隆将のやったこと

昨日付の日経新聞夕刊(社会面)に、スラップ訴訟に関する分析記事が掲載されていた。嫌がらせ提訴で批判を封じこめることなどが主目的のスラップ訴訟の特徴として、同記事は(1)主張に事実的あるいは法的な根拠がない(2)そのことを知りながらあえて提訴する事実を挙げている。記事では匿名ながら最近の具体例を示しつつ、「同種の訴訟は日本でも2000年代初めから目立ち始めた」との識者コメントを掲載している。事実的根拠がそもそも存在せず、そのことを知りながら起こした典型的な嫌がらせ訴訟として、1996年に起こされた信平狂言訴訟が挙げられる。創価学会の名誉会長に過去に3回の暴行を受けたなどとして北海道の元同会幹部女性ら夫婦が慰謝料を求めて訴えた裁判だが、もともと事実的根拠は皆無であった。訴訟そのものに政治的背景が隠されており、夫婦はそれに悪乗りしたにすぎなかった。被害者と語る女性の旦那は地元では半ばヤクザ者として知られる有名人で、周囲から多額の借金をしたまま返済せずに開き直り、多くの返還訴訟を起こされ、敗訴を重ねていた人物であった。さらにこの訴訟によって「いずれ億単位の金が入る」などとうそぶいているような男であった。その女房である信平信子は、この男の付属物のような関係にあり、言われるままに「役者」を演じた立場にすぎなかった。実はこの夫婦から取材と称して聞き取りを行い、自ら所属する週刊誌で大々的にキャンペーンを張ったのが、元週刊新潮記者の門脇護(現在、門田隆将のペンネームで活躍中)だった。この人物は、この事件が虚構である疑いを持ちながら、事実的根拠を固めることもしないままに事件を大きく記事化するために、自ら弁護士を紹介する行為まで行っていた。要するにスラップ訴訟である疑いを持ちながら、その訴訟を成り立たせるために、言論機関に所属する立場の者が知り合いの弁護士を紹介していたのである。門脇が「元祖・捏造記者」と評されるゆえんである。こんな人物でも社会的制裁を受けることなく、ペンを持ち続けることができるのが、犯罪的行為への「寛容さ」が特徴の日本社会だ。

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