歴史の一貫性を持たない政党

本日付の「しんぶん赤旗」に中国を批判するコラムが掲載されていた。「3分で紹介 共産党」という連載コラムの中で「天安門事件を厳しく批判」と、さも同党が正当な行動をとってきたかのような主張内容が続くが、いつもの“演出”にすぎない。振り返ると、日本共産党と中国共産党の歴史は深い。中国共産党は1921年7月に結党。日本共産党の結党は翌年とされている。いずれもコミンテルン(世界共産党)の強力なコミットの下で結成された。いわば日本共産党にとってソ連は「親」ともいえる存在であり、その後、中国で実際に建国した中国共産党は「偉大な兄」ともいうべき存在だった。そのため、日本共産党は戦後もかなりの期間にわたって、ソ連や中国を崇め、それらに盲従、隷従した過去をもつ。その期間は同党の党史において、短く見積もっても40年以上。要するに同党の半分ほどの党史は、中国共産党を天まで仰ぎ、翼賛してきたのが現実の姿なのだ。それをいまはどのように書いているか。本日付の紙面からそのまま引用しよう。「中国では中国共産党は国を指導する特異な存在」「日本共産党はそんな『一党独裁』の息苦しい社会を目指していません」「特定の党に『指導』政党としての特権を与えることには反対です」などと述べている。なぜこうした一貫性のない現象が生じるのか。中国共産党は政権与党の立場であり、リアル政治に関わっている。一方の日本共産党は立党97年近くたっても一度も政権に入ったことのないいわば「ダメ共産党」だ。リアル政治に関与していない分、好き勝手なことが言えるというお気楽な立場にある。そのため「後出しジャンケン」よろしく、状勢を見ながら都合よく態度や主張を変更することも可能なのだ。その意味では、一貫性のない政党の最たる存在といえよう。同党について「ブレない政党」などと評価する向きは、歴史の真実を弁えておらず、表面的な行動に騙されているにすぎない。

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