歴史を忘れる人間なるもの

本日付産経新聞モスクワ発の記事によると、ヒトラーと並ぶ大虐殺の張本人スターリンに肯定的な感情をもつロシア人が増えているという。世論調査で初めて肯定的評価が半数を超えたと報じている。これは日本でいえば、先の昭和の戦争が「正しかった」と感じる日本人が半数を超えるような事態かもしれない。あるいは各地の警察や税務署に火炎ビンを投げつけ、警察官2人を組織的に殺害するなどしていったんは日本人有権者の信頼を完全に失った「日本共産党」が、時間の経過とともに記憶が薄れ、いまでは一定の政治勢力として日本国内に存在する「現象」と似ているかもしれない。同時代にひどい体験により信頼を失った人物や政党が、時代をへて、有権者の記憶も薄れ、その負の側面ではなく、肯定的な面を見ようとして評価が「転化」している現象ともいえよう。その背景には、現状への不満が常に介在する。 大事なのはやはり歴史教育であり、歴史の事実を忘れないように維持するための行為であろう。ジャーナリストや歴史家の役割の一端は、そこに求められる。

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