トランプ大統領が扇動する排外主義

移民・難民を排斥するトランプ氏による大統領令の“余波”で各紙とも記事が埋まっている感がある。日経のワシントン発の記事は、永住権保持者すら入国制限にした今回の措置にはトランプ政権における「4人の側近」のうちの一人、スティ―ブン・バノン首席戦略官・上級顧問が関わっていることを明らかにしている。この人物は「ネット右翼」を掲げたニュースサイトの運営者だった過去があり、トランプ政権を象徴する人物といえそうだ。

また日経の天声人語にあたる「春秋」では、日本で働く外国人労働者が初めて100万人を超えたのはいいものの、「根本的なところで制度づくりも意識改革も遅れている現実は覆い隠せない」と指摘。東京新聞の「こちら特報部」も、日本がトランプ氏を批判できなき現状に、「日本が世界の難民問題で何もしてこなかったことが浮き彫りになる」との関係者のコメントを載せ、日本側の問題としてとらえている。

東京新聞の社説は「世界に争いの種まくな」と題し、トランプ氏のやり方によって逆にイスラム世界の反発を招き、「過激派勢力を利するだけ」と警鐘を鳴らした。

米国ワシントン州は30日、大統領令に対して起こした初めてのケースとなる違憲訴訟を起こした。

またベルリン発共同通信の記事によると、トランプ大統領の一般市民の入国を禁じたイスラム圏7カ国とドイツの二重国籍を持つ国民が計13万7000人にのぼると報じている。

最後に、朝日新聞はオピニオン面で、国松孝次・元警察庁長官による「外国人に国をひらく」と題するインタビューを掲載。「基本理念は統合 治安守るため 排除せぬ方策を」との大見出しは、良識ある正論だ。こうした考え方が日本の“主流”になっていかなければならないと感じる。

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