読売の論調は国益に反する

昨年暮れに主筆を失った読売の論調があまりにお粗末だ。昨日付の社説は「ポピュリズム横行が目に余る」というもので、本日付は「何を目指すのか見えてこない」。いずれも石破政治を批判する内容だが、本来、批判に建設的批判と批判目的の批判の2種類があるとすれば、両社説とも読売の論調は後者に当たる。30年振りの少数与党が苦労して日本の舵取りをしているのをあざ笑うかのように見下し、批判のみを行うのは極めて安直だ。資金力もない小さなメディアがそのような姿勢になるのは理解できるが、逆に資金力も政策・ノウハウの蓄積も豊富なはずの新聞社が、ただ現政権を一方的にこき下ろすだけでは、国民にとって利益のある社説とはいえまい。本日付の「何を目指すのか見えてこない」は、むしろ読売自身の目のつけどころのなさが際立っているだけで、石破首相は基本的な方向性は示しているはずである。すなわち災害に強い国家づくり、さらには東京一極集中ではなく地方を元気にする方向性などである。読売はそれを「見えてこない」などと腐すのではなく、石破首相が言っている方向性での実現可能な具体策やノウハウを示してこそ、大新聞の役割というべきものだろう。その点、本日付の日経社説は読売とは対照的に、極めて具体的な将来日本の社会像を示し、建設的な論調だ。私は本日付日経社説の方向性で基本的にはよいのだろうと思える。読売は、かつての万年野党の「反対だけが実績です」のような安直な姿勢なら、新聞の役割を急速に失うだけだ。

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