日本共産党はソ連共産党からいわば「のれん分け」された存在である。親元で修行し、独立を許されたのは1922年。日本共産党という名前を名乗って95年。その日本共産党が親元であるソ連のことをボロカスにこき下ろしているのを見ると、あまり気分のいいものではない。典型的な恩知らずの不良息子に思えるからだ。どんな親であろうと、親は親である。
1917年のロシア革命から100周年の節目とあって、新聞各紙が特集を組んだ。「しんぶん赤旗」日曜版の最新号でも、そうした特集が組まれている。ソ連はスターリンによって変質したと、すべてを個人批判に転嫁。日本共産党が戦後、暴力革命路線にカジを切った事実についても、「日本共産党は戦後、スターリンによる武装闘争の押し付けという干渉を受け‥」(11月19日号)と、あくまで押し付けたほうが100%悪いのであって、押し付けられた方は被害者にすぎないという書き方をしている。だがこれはどう考えてもおかしい。
押しつけられたほうの日本共産党は当時すでに創設から20年以上を経過しており、人間でいえばとっくに「成人」の仲間入りを果たしている。それで親のせいばかりしているとはどうしたことか。親の押し付けの善悪を見抜けなかった自身の愚かさにはまったく目を向けず、自画自賛ばかりを繰り返す。バカ息子の典型的な特質といえよう。
党員個々には人間的な人びとがいたとしても、組織として見た場合は、非常に大きな弊害を感じる。その共産党は同じ紙面で、「日本で革命戦争や一党制は起こりません。憲法で国民主権、基本的人権、議会制民主主義がうたわれ、社会に定着しているからです」と主張しているが、戦後の共産党は日本国憲法を否定していた。
歴史的にみて、同党がカメレオンのような体質に映ることは理由のないことではない。