空手雑感 13

空手が沖縄発祥の武道であることは知っている人は知っている。本土の、中でも極真空手になじんでいる者からすると、幾つか大きな違いがあることに気づくことになる。まず極真では当たり前のようになされている「押忍(おす)」という返事の言葉が、沖縄では皆無だ(沖縄県内の極真系道場を除く)。返事はふつうに「ハイ」「わかりました」と答えればすむもので、「押忍」などと答えようなら、怪訝な顔をされるのが通例だ。

もう一つ、黒帯の表記の仕方がかなり違う。極真系では、黒帯に1本線が入ったものが初段、2段は2本線、5段は5本の線が入るというのが通例だが、沖縄では3本までしか入らない。沖縄では初段から5段までは線の入っていない黒帯を使用し、1本線が入ると6段、2本線で7~8段、3本線で9~10段を意味する。つまり極真の初段帯はむこうでは6段などの高段者と受けとられるわけだ。これは極真空手の場合、黒帯(初段)が一つのゴールとみなされる傾向があるのに対し、沖縄空手では初段レベルはまだ駆け出しであり、さらにそこから順次昇段していくことを前提とするといった「黒帯」に対する認識の違いから起きているようだ。

3番目に、極真でいうところの「空手歴」も、沖縄では「武歴」と称されることが多い。以上が私が感じた、こぼれ話的な極真流派との違いである。

 

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