コミンテルン政党の後始末

独裁主義が強まれば組織・団体は衰退に向かう。古今東西の普遍的原理の一つだ。その最たる例は現在の中華人民共和国だろう。経済通の首相を権力基盤から追い出し、独裁制を強めたはいいものの、経済オンチの最高幹部のもとで外国資本が次々と逃げ出し、鄧小平がつくった経済成長の流れはすでに途絶えつつあるように見える。権力政体がその存在理由を忘れ、「保身」に傾いた最たる結果に見える。一方のロシアも現在が権力者の最盛期に映る。だがその栄華は長く続くとも思えない。権力の破壊は一瞬にしてなされる。中国、ロシア両国の現在の政治体制は、民衆支持に基盤を置かない点で先行きが明るいとは思えない。いずれも現在の社会主義国、または過去の社会主義国であり、その性格は中国共産党の年子の兄弟である日本共産党にも近年顕著に表れている。「異論」を排除する頑なで強圧的な姿勢はすでに周知の事実で、まともな判断能力を欠いているようにしか映らない。そのことで最も得をしている存在は現自民党だろう。私見だが、政治に絶対というものはありえず、常に相対的にどちらがベターかという選択の連続にほかならない。その中で、日本共産党が政権に入った場合の政治は、ベターといった相対的な比較の範疇でなく、ベストの反対である「ワースト」に値する。その事実を現ロシア、中国、そして目の前の日本共産党がわかりやすく示してくれている。

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