統一教会と創価学会

安倍元首相が統一教会に家庭を破壊されて同教団に個人的恨みを抱いた人物に殺害されたとされていることで旧統一教会と政治家との関係がクローズアップされている。それと時を同じくして宗教という枠組みで政権与党の公明党と密接な関係にある創価学会を同一視するような論調も増えている。だがこの2つの宗教団体はその前提として天と地ほどに違いがある。教団としての目的、理念、実際の行動、これまでの社会的実績などすべての点において、大きな開きがある。かつて25年以上前、オウム真理教という宗教団体がサリンを使った無差別殺人を行い、このときも宗教団体が社会的に敵視された時代があった。創価学会もその余波を受けている。創価学会に無差別テロを行った歴史など、過去に一度もないにもかかわらずだ。むしろ日本共産党に、戦後の一時期、無差別テロに手を染めた時期があることは、関係者の中では有名な話だ。話を戻す。宗教は一つ一つがまったくの別物だ。その中で社会平和を願い、人びとの共生を祈る国際的にまたがる普遍的な宗教というものは存在する。そうした宗教およびその関連団体は、宗教間対話を行い、同じ普遍的な土壌の枠組みの中で国際的な社会活動も行っている。いま創価学会を統一教会と同じカテゴリーに押し込め、批判し、あるいは印象操作したい勢力がいるとすれば、それは一定の政治的意図をもっていることが明らかだ。その裏にあるものをよく理解しないと、この短絡的な主張に足をすくわれることになりかねない。

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