佐高信を訴えた佐藤優元外務省主任分析官

私は以前、事実関係のあまりにいい加減な記述を目の当たりにして、評論家の佐高信氏のことを「左の櫻井よしこ」と評したことがある。櫻井よしこ氏は右派の論客として知られているが、その内実は「南京大虐殺は濡れ衣である」といった歴史的事実と正反対のことを感情的に主張する人物として知られ、事実に対するいい加減さがよく似ているという意味で、佐高氏のことを「左の櫻井よしこ」と評したわけだ。佐高氏はそんな危うい評論活動を続けてきてよくこれまで「大きな事故」がなかったものと思うが、晩年になってその傾向が強まっていることが懸念されていた。そんな中で起きた今回の佐藤優・元外務省主任分析官による名誉棄損提訴。佐高氏は「言論人が裁判に頼るのは言論人失格」とコメントしたようだが、私はそうは思わない。事実関係の有無が争点となった場合、互いの言論の応酬だけでは決着がつかず、世の中には真相がはっきり伝わらないことが多い。その場合に、第3者である法廷の手続きで白黒をつけるというのは、やむおえない手段としては認容されると考えるからだ。ありもしないレッテルを貼られた側はそうするしかないことがある。リンクの記事では「佐藤優氏を批判するのはタブーなのか」などと煽っているが、日本社会にタブーなど存在しない。問題となっているのは、事実的根拠に基づいて批判を行うという言論活動における「基本的なルール」を踏まえているかどうかであって、佐高氏の場合は、その「基本的なルール」の欠如が原因で問題が生じている事態と認識している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2b177e3ec10eef5f1b9be6dd2753f4db3781fb80?page=1

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